コレクション

ギネスブックにも載っている「テディガール」をはじめ、
テディベアの歴史を語るアンティークベアや、
世界のテディベア作家たちの作品である
アーティストベアなどをご紹介します。

テディガール(1904年)

1994年12月、ロンドン・クリスティーズのオークションで世界中の注目の的となった「テディガール」。彼女は、テディベア・メーカーとして知られる独シュタイフ社が、そのごく初期である1904年に世に送り出したベアの中で、現存する数少ない1体です。シナモン色のモヘアはふさふさとしていて、100歳を超えた年齢とはとても思えません。

持ち主であった故ボブ・ヘンダーソン英国陸軍大佐は有名なベア・コレクターとして有名でしたが、その彼の最愛のベアが、幼年時から一緒だった「テディガール」だったのです。世界中のテディベア・ファンに知られていた彼女は、過去に例のない熱のこもった競り合いの後に、テディベア史上最高の落札価格で伊豆テディベア・ミュージアムに招かれることになったのです。


ボブ・ヘンダーソン大佐とテディガール

テディガールは生まれてからその多くの時間を、ボブ・ヘンダーソン英国陸軍大佐と過ごしてきました。 テディガールは元々はヘンダーソン大佐の兄に贈られたテディベアでしたが、ヘンダーソン大佐が非常に可愛がったので、直に彼のものとなりました。

彼はどこに行くにもテディガールを連れていったということです。それは、彼が成長してからも変わらぬことで、陸軍に入隊し、第二次世界大戦におけるノルマンディ上陸作戦に参加した折にも、彼はテディガールを同行させました。ヘンダーソン大佐は、多くのテディベア・ファンと同じように、喜怒哀楽を共にする親友としてテディガールを大切にしたのでした。

その後、陸軍を退役した彼は、『こころの支えを必要としている人々にテディベアを贈る運動 =Good Bear of the World』に共鳴し、その英国支部を設立、 また「テディベアの日=グッドベア・デー」(10月27日)の制定を推進しました。そして、恵まれない人々にテディベアを贈る運動を実践し、多数の人々がテディベアのぬくもりによってこころを癒されたということです。このような活動を続けるヘンダーソン大佐の傍らに、いつもテディガールがいたことは言うまでもありません。

伊豆テディベア・ミュージアムでは開館にあたり、日本にあたたかいテディベア文化が芽吹き、育まれることを願い、テディガールをそのシンボルとして招いたのです。今では、ヘンダーソン大佐の意志を継いだ伊豆テディベア・ミュージアムのグッドベア活動に、彼女は欠かすことのできない存在となっています。


初期のテディベア(アメリカ)

1910年頃の製作と考えられる

シュタイフ・テディベア(ドイツ)

1910年頃のシュタイフ社製作のベア

チルターン・テディベア(イギリス)

1950年頃のチルターン社製作のベア


スーティ(イギリス)

イギリスの長寿番組「スーティ・ショー」(BBC)で大人気のベア、スーティとその頃作られた陶器や貯金箱など。1952年〜

ウッドランド・ファーザー・クリスマス

作者 ミッシエル・ブラウン(アメリカ)
インテリア・デザイナー、ファッション・デザイナーなどの経歴を持つ作者が深い森の奥に住むファーザークリスマス(サンタクロースの別名)を個性豊かに表現しました。

ズッカー・クッキー工房

作者 バーバラ・シックスビー(アメリカ)
ジンジャーブレッド作りに忙しいクッキー職人。
テディベア専門店ズッカー・ベアのために作られた特注品です。


アナスタシア

作者 ダイアン・ガード(アメリカ)
帝政ロシア最後の皇室ロマノフ家の生き残りとして名乗りを挙げた、皇女アナスタシアがモデルです。
作者は、小学校の創作活動の教材に自作のベアが使われたり、ベア・メイキングの教室を作っていたりと、多彩な活動を展開しています。

我が家の初めての赤ちやん

作者:パメラ・ブラントレー・ウーリー(アメリカ)
テディベアは子供の誕生を祝って贈られるぬいぐるみであるところから、家族愛の象徴とも考えられています。
この作品は、そうした家族愛をテーマとして制作されました。


ソリいっぱいの愛と8人の小さなトナカイたち

作者:バーバラ・マッコーネル(アメリカ)
世界中の子供たちにたくさんの愛をプレゼントするために空駆けるテディベアたちのソリ。
作者は80年代中盤からの活動歴を持つベテラン。

リバー・ランズ・スルー・イット

作者:ロザリー・フライッシュマン(アメリカ)
ロバート・レッドフォード監督の同名映画作品に想いを得て制作された作品。
アウトドア・ウェアにルアー・フィッシングの竿や擬似餌など小物も充実。


※ご紹介した作品は、企画展等で常時展示されていない場合もございます。予めご了承ください。